続・ゆゆ式MANIAC 4P25 3日目 「4コマ漫画に色彩が生まれる瞬間、そしてそのフィードバック」
1日目 「4コマ漫画のカメラワーク」 :http://d.hatena.ne.jp/esuji5/20130218/1361197953
2日目 「0コマ目の想像力」:http://d.hatena.ne.jp/esuji5/20130219/1361284397
3日目です。前の2日で力を使いすぎたために今日は縮小更新で行きたいと思います。
4P25 3日目「4コマ漫画に色彩が生まれる瞬間、そしてそのフィードバック」
「この場面って夕方だと思いますけど合ってますか?」
もちろん某t氏の発言である。
そうだと思います、と前置きしてパラパラとページをめくる私。
「そうですね、この後3人で買い物に行ってるので夕方でしょう」
もちろん、この会話をするまでもなく、4コマ目のゆずこのセリフは
「(夕日を浴びて振り返っている私は)いい感じじゃなかった?」」
と読み解くのが自然だと思われるので、時間が夕方だとはなんとなく分かることである。
そういえば、この3人は家が高校から同じ方向かつ電車や自転車によらない登下校であるにも関わらず、朝に一緒に投稿してくる場面はあまりないなあと1秒ほど考えていると、t氏が口を開いた。
「じゃあ、これ、2コマ目で漫画に色が着いたんですね」
え、あ、はい。
t氏の言葉に頭の処理能力が追いつかない。
しかし、改めて夕方の情景を思い浮かべながら4P25を見ると、不思議なことにゆずこの周りの白地部分が、夕焼けで雲が赤く染められており、トーン部はまだ青空の残っている部分のように見えてくるではないか。
なるほど、これが「色が着いた」ということか。
さらにそこから「4コマ目のキラキラ演出でそれもリセットしてオチに繋げてるんだ」という発言も飛び出したが、どうやら彼の頭の中では、2コマ目に色彩が生まれ、3コマ目に引き継がれ、4コマ目でゆずこが再度振り向くまでのアニメーションを処理し、最後にアニメの『Aチャンネル』のような色と模様でのオチ演出が付いたという流れが一瞬で組み上がったようだ。
(参考画像:アニメ『Aチャンネル』より)
つまりは、4つのコマから、音声と動きだけでなく、色彩とカメラワークまでも補完したということだ。アニメーションとはなんたるかを理解し、そのすべてをきちんと把握しようとする姿勢にただ脱帽した。
もちろん、それを想起させるに足る描写をした4P25もまた大変に優れた一本であることが逆説的に言えるだろう。
・・・4月からのアニメが非常に楽しみになってくるではないか(ハードルを上げる奴)。
ちなみに、t氏の発言は以下の様に止めどなく続いていたことをここに記しておく。
「そうなると、また1コマ目を見た時にも色が着いて見えますよね。読み返すとフィードバックするものですね。ここは色というより入光の演出の方が合うから・・・・・・そして0コマ目が・・・・・・」
また、本作での色彩と言えば、ゆずこ達3人はそれぞれピンク、青紫、緑寄りの黄色っぽいやつ(萌黄色?)が目と髪に鮮やかな色が設定されている。そしてこれは作中でもそのままの色で認識されていることが3巻P23のゆずこの赤い目のネタ、4巻P57の縁=青紫のネタから分かる。『マンガルカ vol.1』の作者インタビューから3人の髪の色についてはインスピレーションそのままに設定した結果、特別感が出たものだという。これだけだと、だからどうしたという話なのでポモアネスvol.2には収録されなかったが、せっかくなので書き留めておく。
私はゆずこ達3人のリアリティ(実存感)について「Twitterでいつもつぶやきを読んでるけどフォローされてないしReplyも送ったことがない人」レベルのものを感じている。「初音ミク並みのリアリティ(実存感)」と言ってもよいかもしれない。どっちもどっちだろ、という意見はさておいて、髪の色の鮮やかさに実際に存在していそうな感覚はあまり関係してこないのかもしれないと疲れた頭でなんとなく思った。もしくは鮮やかだからこそ実存感を高めるのか。答えを出すための元気は今はない。
あまり縮小した気がしないけど今日はここまで。
次回は「カバンは扇子」を予定。
宣伝
説明略
http://alice-books.com/item/show/1677-2
vol.1
http://alice-books.com/item/show/1677-1
そういえば、WEBスナイパーさんの
コミティア103で買った本を紹介する企画でポモアネスvol.2を取り上げて頂きました。
http://sniper.jp/011review/0119others/201323comitia103.html
[作者は物狂いシリーズ][熱狂的なファン]というタグ付けと
謎のデータから、物語要素、演出論、寄稿文に至るまでどれも無駄に凝っている。アニメが開始されると、原作知名度が飛躍的に高まるとは、筆者も確信しているが、その時にこうした熱狂的ファンブックの存在が察知されるのかどうか。興味深く見守りたい。
という紹介文を頂きました。ありがとうございます。