ゆゆ式Advent Calendar 2021 1日目 ゆゆ式をざっくばらんに推してゆけという話
オープニング
今年もやってまいりました、ゆゆ式 Advent Calendarの季節ということで、恒例ながらオープニングを務めさせていただきますesujiです。
今年もできたぜ、ゆゆ式 Advent Calendarがよぉ/ゆゆ式 Advent Calendar 2021 https://t.co/UyipvZ4Nep
— S治(えすじ) (@esuji) 2021年11月4日
#ゆゆ式ac
2014年から数えて8年目のこの企画ですが、今年も常連の方から新規の方まで、ゆゆ式に関するあれやこれやがまとまって見られると思うと楽しみですね。この記事を書いている時点では、25日が空いてますのでぜひ参加をご検討いただければと思います。ネタの種類は絵でも記事でもプログラムでも何でもOKです。
また、Twitterで#ゆゆ式acというハッシュタグを使ってますので、感想やら記事やらのツイートに付けていただければ幸いです。
今回は直前に出た12巻がまた素晴らしい出来で、Comic Fuzで毎月読むのとはまた違った感覚なのが不思議です。毎年、畳一枚くらいずつ世界観が広がっていってるんじゃないでしょうか、よくわかんない例えだけど。
ゆゆ式をざっくばらんに推してゆけ
さて、今回の本題ですが、1分でわかる要点まとめは以下です。
- ゆゆ式を他人に勧めるのが難しい気がする
- ストーリーと呼べるものはなく、女の子の掛け合いがメイン
- 魅力を伝える・本質的なところの言語化が難しい、と感じてしまう
- そのせいか、個人で深堀りできる評論や二次創作、今なお続くアニメのエア実況などがファン活動として隆盛してきた
- 気がついたら12巻も出てて、追いかけにくいかも……
- 一方で、ゆゆ式以降、きらら系作品はアニメを軸にファン層を広げてきた(と思われる)
- また、世はまさに大関係性時代である
- そんなわけで、ざっくばらんにゆゆ式を勧めても普通に受け入れられる土壌ができているのではないでしょうか
- 例えばどんな界隈に勧めてみるのがよいのだろうか
- どういう風に勧めるか
- COMIC FUZでけっこうな分量がチケット制無料で読める
- ふみおか回をピックアップして沼に引き込む
- 推し情報を自動ツイートとかゆゆ式のデータベースとか技術で解決できるとこもやっていきたいですね
- ゆゆ式をざっくばらんに推してゆけ
ゆゆ式を勧めるの難しい問題
2008年に連載開始、単行本が12巻目を迎えたゆゆ式ですが、その長さはもとより、魅力を伝える難しさからなかなか直接的に他人に勧めるのが難しいと感じたことはないでしょうか。
そう感じる点として以下が挙げられます。
- ストーリーがなく、女の子の掛け合いで構成されている
- それでも掛け合い自体が面白い、関係性や空気感、コミュニケーションの描写がすごいなど、色々説明したいけど上手く伝わるような言語化が難しい
ゆゆ式の民はゆゆ式のことを難しく考えがちで、その思考による出力は二次創作や評論などに向けられてきました。作品を知らない人向けというよりは、すでに魅力を知っている内側に向けてのものが多かったと感じています。 自分が難しいと感じているものは、他の人にも難しいと思われそう……という考え方が根底にあると思われます。
一方で、ゆゆ式以降、きらら系作品はファン層を広げてきた(と思われる)
※2021年の日常系・空気系作品!!みたいな記事を眺めていたら、作品定義の曖昧さに目眩がしてきたので、前述の箇条書き部分を再度記すに留めます
世はまさに大関係性時代
「関係性」という言葉はこの記事でも便利に使っていますが、ひとまず「登場人物同士の関係を表すものやコミュニケーションを描いたもの」くらいの意味合いとしておきます。 昨今は、きらら系作品に限らず登場人物の関係性を主題としうる作品が市民権を得てきたように感じられます。筆者はちょっと触ったぐらいですが、以下の2作品は印象的なことがあったのでご紹介します
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- エロくない絵でも、見てもらえるという記事がとても興味深い話でした
- 際どい絵を描かなくても、複数人物を配置し、その状況や背景を感じられるように描くことでより見てもらえるなったという記事
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- 流れてくる二次創作の話が非常に尖ったものが多く、逆説的に本編での描写の鋭さが伺えます
- ゆゆ式単行本の帯には「ゆるい」って書かれがちだけど、コミュニケーションの鋭さは同等くらいあるんじゃないですか?
- 七草にちかやノクチルメンバーの考察・二次創作をしている方々にふみおかをぶつけてみるとすごそう
そんなわけで、上記作品に限ったことではないですが、色んな人にざっくばらんにゆゆ式を勧めても普通に受け入れられる土壌ができているのではないでしょうか。
例えばどんな界隈に勧めてみるのがよいのだろう
共通項が多そうだったり関連する項目があるコンテンツのファンが良いかなと思いますが、その中でも個人的に触れている時間が長いものとの関連を見ていきます。
VirtualYoutuber(以下、VTuberと表記)
- 2018年頃から台頭してきたコンテンツ
- ライバー同士が仲良くしていると「てぇてぇ(尊い)」のコメントが付きがち
- 他に頻出のコメントは「かわいい」「草」なので、全部ゆゆ式にありますみたいな関連は無理やり付けられる
ゆゆ式好きを公言していると言ってよいであろうライバーとしては郡道美玲先生が挙げられますが、「郡道先生が好きな漫画です」というと「エッチなやつ?」と思われる可能性が高く、また、「ゆゆ式にエロさがないとは言い切れないな……」という思考になってしまいスッキリと推しきれないので別口で攻めるのが良さそうではあります。
「ゆゆ式はゆずこたちの日常の神切り抜きだから……(?)」みたいな感じでうまいこといかないですか? いかないですね。
ちなみに個人的な考えでは、ゆゆ式の民かつVTuberを見てる人は、生き様が普段の動画・配信内で溢れ出てるライバーが多いにじさんじ派なのではと思っています。この記事を書く直前にTwitterでアンケートを取っているのですが、ある程度それっぽい結果が出てきているようです。あくまで参考程度のものですが。
記事に入れるかわからんアンケートですが、お答えいただけると幸いです。
— S治(えすじ) (@esuji) 2021年11月30日
「ゆゆ式が好きな民の方で、よく見るVTuberの事務所はどちらですか?」
逆に、ゆゆ式の民にVTuberを勧めるとなると、にじさんじ所属、公式美少女錬金術師ライバー、アンジュ・カトリーナが良いと考えています。バーチャルキャストと二人きりで時間を過ごせるコンテンツ内で、2021年基準だとコンプライアンスが大丈夫か心配になるレベルの行動をし(ユメノグラフィアもANYCOLOR運営だしまあええか)、歌ってみた動画で550万再生を達成し、また雑談配信のネタに困らない程度の受難体質など単体でフックの効いたコンテンツを生み出せるライバーです。同期のリゼ・ヘルエスタ、戌亥とこの3人でコラボすることも多く、仲良く信頼しあっている様はゆゆ式の3人組を見ているような微笑ましさがあります。
余談ですが、登場人物と読者、ライバーと視聴者、という関係もいかに構築するか(知る→応援するに至るまでに何が起きているか)に同じ課題を持ってるような気がするので、それぞれの技法も比べてみると面白いかもしれません。
余談その2。にじさんじ非公式wikiというサイトはその記述量がすさまじく、インターネットの集合知とファンの熱量の掛け算で、ライバーの存在感をとても高めています。逆説的にゆゆ式非公式wikiを作って同じくらいの分量を記載したら登場人物の存在感を高めたり伝えやすくなったりしないかと考えてみましたが、それは単にゆゆ式本編のネタバレになるだけだなとというところに落ち着きました。
Snow Man
- メンバーの佐久間大介氏がゆゆ式の大ファン
- 三上小又先生との対談が実現するほど
- よくテレビでオタク部屋を披露してますが、良い位置にゆゆ式のフィギュアやポスターが飾ってある
- 実際、佐久間大介ファンの方でゆゆ式を追ってくれてる方は多そう
- 三上小又先生がSnow Manについて言及すると、Snow Manファンの方がリプライくれる
- Snow Manファンの方もよう見とる
- VTuberはホロライブ推し(佐久間大介ファンの方もホロの配信とか追ってるの?)
- 前述のウマ娘ファンとしても名を馳せています
Snow Manはデビューまでの苦節が色々とあるせいか、メンバー同士の仲が良く、その関係性がファンの間でよく語られている印象です(テレビでの掛け合い、ライブでのMCなど)。近日公開される、実写版おそ松さんのキャストをメンバー全員で務めることが発表された際は、「関係性の作品と関係性のメンバーを掛け算するつもりかよ!!」と私のテンションがおかしくなっていました。
2:11からやる気ビームシーンがあるので見て
またまた余談ですが、三上小又先生はゆゆ式がもし落ち着くタイミングがあったら、Snow Manおよびその他ジャニーズ関連の公式コミカライズとかやったらめちゃ良い物ができそうな気がしています。よろしくおねがいします(?)。
どういう風に勧めるか
COMIC FUZでかなりの分量がチケットやコインを集めることで無料ですぐ読めます。
最近リニューアルして読みやすくなったと思います。単行本収録の巻頭カラーページも読めるという神仕様なので、5巻の「無免」も確認できて捗りますね。
単体で威力の高い回や、ふみおか回をピックアップして沼に引き込む戦略が良さそうです。というわけで、以下、参考のリストです。リンクからうまく飛べなかったら、ログインするかゆゆ式の作品ページから遷移してください。
また、現代の読者の力量を信じるなら、4巻くらいをいきなり渡して読んでもらうのもいいかもしれません。パン人間を含めて良い回が揃っており貴重な海イベントも収録されている重要な巻です。
推し情報を自動ツイートとかゆゆ式のデータベースとか技術で解決できるとこもやっていきたいですね
最近はあまりTwitterに出没してなかったりで外向きアウトプットの敷居が高い気がするので、推し情報を自動でツイートする設定をしたり、情報を簡単に引っ張ってこれるゆゆ式データベースをいい加減に構築しきったりと技術で解決できるとこもやっていきたいですね。実際問題、これらのモチベーションはコミケで同人誌を出すのとセットになっていたため、コロナ禍でコミケがなくなったと同時に休止状態になっていました。今後はとりあえず開催されていきそうなので、夏コミ以降はまた元気にサークル出展を目指していきます。
ゆゆ式から技術者を育てたり、技術者をゆゆ式の民にしたりで、なんかこうコミック工学とかに携わるような人が出てきたりするとよいのではと常日頃思ってます。コミック工学については、以下のリンクにどんな研究がされているかがまとまっていますので興味があればご一読を。2019年くらいの内容なので最新版がどこかにあるかもですが。
https://www.ai-gakkai.or.jp/resource/my-bookmark/my-bookmark_vol32-no6/
ちなみに先日発売されたばかりのプログラミング初心者向の本があるらしいんですけどぉー、紹介しておきますねー
『スラスラわかるPython』の第2版が出て、4コマ漫画原作者になった?話 https://esuji5.hatenadiary.jp/entry/2021/11/16/013429
まとめ
ゆゆ式を ざっくばらんに 推してゆけ
12巻マジですごいと思うので、もうここからお勧めしてもいいのかもしれない気持ちになってきました。
ここ数年感じていたことを色々組み合わせて書いてみた内容となっており、裏付けとなるデータはなくて恐縮ですが少しでも楽しんで頂けたら幸いです。
今後のゆゆ式 Advent Calendar 2021もお楽しみに。