マンダリンオレンジ in hatenablog

esujiがアニメ・漫画について書くブログ。はてなダイアリーから引っ越してきました

黒ロンと萌え4コマに関する考察

挨拶と概要

今回の記事は、水星さんの黒ロン祭りに参加させていただくということで、お初にお目にかかる方もいらっしゃるかと存じます。

【募集】黒髪ロング祭2012を開催します!
http://d.hatena.ne.jp/mercury-c/20120808/1344433348


図. 萌え4コマの話題なので出番がなくてお怒りの石堂夏央さん(『鉄風』より)

簡単に自己紹介をさせて頂くと、最近は主に、萌え4コマ漫画の評論をやってるS治という者です。
好きな黒ロンキャラは、萌え4コマ漫画ではないですが遠野秋葉(『月姫』)です。

この企画を知ったときに、出先で何の確認もなしに「萌え4コマは黒ロンキャラ少ないよね」
と発言したのですが手元の漫画を確認したら全然そんなことなかった!
ということをやらかしたので、その反省ついでに何か考察できれば、というのが参加のきっかけです。

考察の結果としては、「萌え4コマにおいて黒ロンという記号はうまく働かせるのが難しい」というものになっています。

それでは、以下、本文です。

萌え4コマと黒ロンの関係性

冒頭での発言は以下のものなんですが、この時、私が思い浮かべたキャラはここに挙げた以外には、放課後プレイ1巻の彼女、あずまんが大王の榊さん、Aチャンネルのユー子、くらいだったので、こんなことを言ってたりしました。


しかし本棚の漫画を確認すると、ざっと表紙・裏表紙を見るだけでこれだけのキャラを再発見してしまいました。

(左上から、)WORKING!!、魔女とほうきと黒縁メガネ、ふおんコネクト、しかくいシカク、CIRCLEさーくる、(2段目)スケッチブック、落花流水けいおん!アクアリウム放課後プレイ、(3段目)みなと∞みらい、Aチャンネルまじん☆プラナ男爵校長あずまんが大王、(4段目)くすりのマジョラムトリコロ、あっちこっち、ゆゆ式


ここで、何故これらのキャラの黒ロン性を私が認識できていなかったのかを考察します。

  1. 私が黒ロンに興味がない
  2. 数ある萌え4コマ漫画のキャラについていちいち覚えていない

1.については、そこまで黒ロンを意識して作品に触れていなかったので否定しきれませんが、それでも人並みには好きな方かと思います。
2.についても言われればどのキャラがどんな容姿かは思い出すことは容易です。


だとすれば、黒ロンというキーワードでそれぞれのキャラに思い至らなかったのはなぜなのか?
それは、萌え4コマが一般に、外見的な記号を読者に押し付けてこないジャンルであるからなのかもしれないと思い至りました。


けいおん!を例に取ると、記号レベルで外見が設定されているのは澪(黒ロン、巨乳+作中でのメイド服等)くらいで、次点はムギの金髪とも言えない色素の薄い髪、太眉(ただの特徴?)ぐらいのものです。
現代の萌え4コマの特徴として、キャラ達のコミュニケーションをもって作品の強度とすることが多いというものがあります。これを行う際に、外見的な記号をプッシュしすぎると雑誌全体を見た時にあまりにも似たような印象の漫画が並んでしまい、読者が飽きてくるということを想定しているのかもしれません。
逆にライトノベルは、ヒロインのインパクトを重視した作品が多いように思われますので、外見的な記号を積極的に押し出してくるという印象があります。

また、4コマ漫画という狭い枠内に描かれる以上、演出上の不利という点も見逃せません。
髪の長さが腰より下まであるキャラには、頭から先まで黒ロンを描かれる機会がぐっと減ります。これではせっかくの魅力を充分に発揮できません。


結論として、これら2つの点で萌え4コマにおける黒ロンという記号は存在感が薄かったことが、冒頭の発言に繋がったのではないかと思われます。
すぐに思い出せた前述のキャラ達も印象強く作られた放課後プレイの彼女以外は、アニメ化されてキャラクター性が(私の中で)強化されたキャラであったことは偶然でないと考えます。

黒ロン4コマ漫画のすゝめ

さて、考察は以上ですが、せっかくなのでお勧めの黒ロンキャラが出てくる作品をいくつか紹介したいと思います。


対象は、言わずと知れてるはずの黒ロン娘さん。
ヘタレな主人公に感情移入しつつ黒ロン娘とイチャイチャエロエロできる素敵な作品だが、人生はクソゲーでそんな幼馴染なんざ存在しないのが基本仕様ということに気付いてゲームオーバーになる。


ふおんコネクト! 2 (まんがタイムKRコミックス)

ふおんコネクト! 2 (まんがタイムKRコミックス)

対象は、筆者のすごく好きな作品なのに思い出されなかった不憫な交流(あける)さん。黒ロンというよりクワガタのイメージが強いせいかと。
容姿端麗、成績優秀な完璧超人の彼女が持つ、地面に着くほど長さの髪はその自信の表れなのかもしれない。
家族や友人関係、学校のことをその自信で何とかしようとして、へし折られ変質していく様が見所です。


魔女とほうきと黒縁メガネ (1) (IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス)

魔女とほうきと黒縁メガネ (1) (IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス)

対象は、表紙左側ののり子さん
黒ロン、メガネと知的さを見出せる記号を持ちながら、それを黒魔術や魔女っ子趣味に発揮するという残念さ。
そんな彼女の周りに集まる残念な人たちの、残念さを残念さで争うつっこみつっこまれの楽しい毎日を描いた良作。


くすりのマジョラム (1) (まんがタイムKRコミックス)

くすりのマジョラム (1) (まんがタイムKRコミックス)

対象は、ちょっと変化球で黒ロン+ハットのラムさん。
26歳ながら極端に低い身長≒低い頭身という特徴を活かしてハットを含めた頭の大部分を枠内に収めることに成功している。
魔女というモチーフも上の作品と共通してますが、何か秘密があるのかもしれません。ちなみにこちらは知的な内容が多いです。



以上、簡単ですが記事を〆ます。
記事中には書いていませんが、自分にとって黒ロンとは記号なのか象徴なのか演出なのかと色々と考えさせて頂くきっかけになりました。この機会を作って頂いた水星さんには感謝させて頂きたいと思います。