マンダリンオレンジ in hatenablog

esujiがアニメ・漫画について書くブログ。はてなダイアリーから引っ越してきました

ポストモダンのポリアネス vol.2とtrue tears本への寄稿のお知らせ

コミティア103にてポストモダンのポリアネス vol.2 頒布予定です

ゆゆ式』のアニメ放送開始も2013年4月と決まってあわあわしてます。S治です。

アニメ放送の前にはなんとか出そうと思っていた『ポストモダンのポリアネス vol.2 「ゆゆ式MANIAC(偏執狂)」』ですが、コミティア103での頒布となりそうなのでお知らせします。

日時:2013年2月3日(日) 11:00-16:00
場所:東京ビッグサイト東5・6ホール

そもそも受かったかどうかの知らせもまだですが、よほどの書類不備がなければ落選はないとのことなので、完全に受かるつもりで作っていきます。

https://twitter.com/COMITIAofficial/status/276555498860457984

中身としてはテーマの通り三上小又ゆゆ式』について書く予定で

  • データベースからみた語り口
  • 感情移入性からみた語り口
  • コミュニケーション論からみた語り口
  • 演出論からみた語り口

なんかが載る予定です。
上3つしか構想出来てないので正直どうなるか分かりません。
とりあえず今、出せるものは全部出して、
後は色んな人に委ねたり一緒に語ったり出来ればいいです。
人間、出来る事しか出来ないんです。
それを精一杯やればいいんです。


予防線も張ったところでちょっとした募集をば

4コマ漫画に関する論稿募集
題目:4コマ漫画について何でも
文字数:2000〜15000字(目安)
ゆゆ式と関係なくてもOK。
僕がツッコミを入れて無理にでも関連付けます。

謝礼はそこまで期待しないという方のみ。相談は受けます。
締め切りは2013年1月20日としますが、
意思表明とやっぱりやめます連絡は早めに頂けるとありがたいです。

表紙絵を描いてくださる方も探してますが、別途告知します。

あと、せっかくなので4月末の文学フリーマーケット in ニコニコ超会議幕張メッセ)にも出てみたいですね。
応募が始まったら狙います。

冬コミ3日目 true tears本に寄稿しました

こちらは直近の話題。
主催@tatsuzawaさんで冬コミに出るtrue tears合同本に起稿させていただきました。

TVアニメ『true tears』評論集を冬コミ(3日目東ハ-48b)で頒布します−総勢22名におよぶ豪華執筆陣が『true tears』を徹底解剖・総文字数15万字超えの画期的な評論集です
http://tat.hatenablog.com/entry/2012/12/19/192840
(12/19 本告知が出たので更新。執筆者一覧はこちらで確認下さい)

参加するきっかけが、tatsuzawaさんの執筆者募集のつぶやきをRTしたらお誘いを受けたことで、ホイホイ了解してしまったんですが、その時点でtrue tearsを1話を見ていないという状態。しかも見てみたらあまり面白く思えなかったので、その解析をしつつ萌え4コマ語りに繋げてなんとかしようと企てた大馬鹿野郎が私です。

そのせいで「ゆゆ式」という言葉が3回は出てくるtrue tears評論本になってしまって非常に申し訳なく感じている次第ですが、面子は非常にガチ勢が集っているようですのでtrue tearsが好きな方はもちろん、私のように肌が合わないと感じた方、そしてもちろん(?)4コマ好きな方にもお勧めの本になると思います。


さて、こんな大馬鹿野郎がどんなことを書いたのか少しご紹介しますと、「『true tears』と主観的・客観的鑑賞と萌え四コマ漫画」と捻りなく並べたそれぞれについて関連付けて語っています。
ゆゆ式」という言葉が3回出てくるtrue tears本も大概ですが、そもそも「true tears」と「萌え4コマ」がタイトルに並ぶ評論も金輪際出てこないのではないかと思います。それほどまでに遠い両者ですが、演出論や鑑賞論なら繋げられるはず! と意気込んで引っ張りだしてきたのが主観的鑑賞と客観的鑑賞についての論です。
そもそもこれは、『反=アニメ批評2012autumn』掲載の泉信行氏の論稿「おおかみこどもと駿と勲」(今、気付いたけど私の論稿とタイトルが似てるのは気のせいです。もしくは潜在意識化で影響を受けていたのだと思われます)より、演出の手法について「フィクションにおけ るキャラクターの描き方は「思い入れ型」と「思いやり型」に分類することができる」というスタジオジブリの監督である高畑勲氏の言説から派生しています。

日本のアニメは主人公に感情移入をしてしまう 「思い入れ型」。観客が何かを「考える」という余地がない。
(中略)
また一方で、主人公について人間的な充 実度は要求されない。人間としての面白さはなく ても構わない。主人公と一緒にいれば主人公は見 えないし、主人公と共に世界と対峙している。
(中略)
今のアニメの傾向は感情移入型の「思い入れ型」と私は勝手に呼ぶ。主人公に思い入れ をするのに、やや目が曇っていても平気になって いる。
「ホーホケキョとなりの山田くん/高畑勲監督シネ マ&トーク - 京都映画サークル協議会」
http://kyo-eisa9.sakura.ne.jp/space/modules/ivent/index.php?content_id=10

この「思い入れ型」に対置されているのが「思いやり型」であると高畑勲氏は述べ、その重要性を語っています。

かつての映画にはもっと、観客とスクリーンを 隔てる客観性があったという。「お涙ちょうだい 映画で流すのは、(映画の中のかわいそうな) 他者 に対する同情の涙だった。『思い入れ』でなく、『思 いやり』なんです。今は主人公に感情移入して、『泣ける』か『泣けないか』だけ」
「【ジブリの挑戦】高畑勲監督に聞く」
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/ghibli/cnt_challenge_20040908.htm


泉信行氏の論稿は、ここから宮崎駿氏と高畑勲氏の違いに触れていき、そこから細田守氏への言及に繋げていくものでそれも良いものでしたので興味のある方は『反=アニメ批評2012autumn』をお買い求めいただければと思いますが)
これらは、あくまで演出側=制作側が仕掛けてくるものなので、主観的・客観的演出ととりあえず呼びます。対して、鑑賞側にも主観的・客観的に分類できる態度とそれによる効果があるのではないかと考え、呼び方を主観的・客観的鑑賞とし、それを用いて特にtrue tearsとkey原作『kanon』について比較・分析を行なっています。
と、いうところで詳しくは買って読んでいただければと思います。最終的には主観的・客観的鑑賞がアニメや萌え4コマに限らず、鑑賞態度という面からあらゆる作品への語り口や作品理解可能性の向上に繋がるのではないかと思えるところまでは提示したつもりですが、読んだ方々それぞれに考えていただいて便利なツールになればいいと思っています。結局4コマとからめたところで大したことが思いつかなかった言い訳でもあります。

そんなわけで、『ゆゆ式』については特に絡めたわけでもなく、萌え4コマについては大した指摘が出来たわけでもないですが、少なくともtatsuzawaさんにはご好評いただけたようですので、全体的にはマシなものになってるかと思いますので是非、手に取っていただけますようよろしくお願いします。


色々な方に感謝を述べたい所存ですが、特にお誘いいただいたtatsuzawaさんと、岡田麿里特集のためにアニメルカvol.4を11月の文フリ会場まで買いに行ったら「当然買うでしょ?」「は、はい、買わせていただきます・・・」とさりげなく『反=アニメ批評2012autumn』と『ブラック・パスト vol.2』を勧めて下さった高瀬司さんにはこの場にて恐縮ですがお礼を申し上げさせていただきます。


※ねとぽよなんかもそうなんですが、僕は中身に見合った宣伝をさせていただいているに過ぎず、特にステマ的な意図もお金の流れもないことをここにぼっち宣言として明示させていただきます。
あと、ブラパスvol.2も、萌え4コマラノベの文化を後追いするんだろうかなんてメタ的なことを漠然と考えていた僕みたいな人間がまさに読みたかったラノベ論他という内容で非常に良かったです。他にも最終批評神話やセカンドアフター EX2012なんかの話もしたいのですが忙しいのでいずれまた。