マンダリンオレンジ in hatenablog

esujiがアニメ・漫画について書くブログ。はてなダイアリーから引っ越してきました

アニメ『ゆゆ式』のPVと原作を並べてみただけ

ゆゆ式の放送日が近づいてきてソワソワしてる私です。ごきげんよう


アニメが始まったらどうせこういう対応表を作るんだからと考えたので、

Aチャンネル アニメ・原作対応表(第6話)
http://346zakki.blog59.fc2.com/blog-entry-658.html

PVのうちからどのへんを使ってるのか検討を付けても同じだよね、ということで
分かる限りのものをピックアップしてみました。
ちなみに、ゆずこの髪の毛トーンが一部おかしいのは、スキャナの設定をちゃんとしなかったせいです。カラー&グレスケ混合はよくないですね。


元のPV


編集の手間の都合上、PVの進行通りというわけではありません。
お暇な方は眺めていただければ。
簡単な説明を付けていますが、できるだけネタバレを避けるため太字の説明
僕の嘘ですので、原作未読の方はお気をつけ下さい。




唯ちゃんのネクタイ:アニメ版のネクタイが漫画より短くなったというより、裾がへそチラするくらい短くなったのに合わせたというのが正しいのではないかと思えてきた






ぐうぅ:カット分けされている場面。次のカットでの縁さんのポーズが気になる





チョッパーゆずこ:チョッパーばっか、もうええて





そそのかされて、夏:原作とほぼ変わらないので特にコメントなし。幅が広いので構図に余裕が持ててる?









DIVE TO クッション:意外と枚数を使っている印象。






死刑:お母さん先生から縁さんに受け継がれし奥技のポーズ。相手は死ぬ







おさげ暮らしのオマエッティー:ここに原作通りのセリフが入ると思うとニヤニヤが止まらないです






お泊り会の企み:「ちょっとやめてよー」「当たり引いたー」「行くぞ小僧!」 殴られました(実際殴られる)





僕のお母さんです:筆者錯乱





あいちん:お雑煮に七味を入れるか入れないかでケンカして家を飛び出した母を探して本屋まできたあいちん。さりげなく逆構図ですね。





ぺろって:構図に余裕ができたせいか、縁さんのリアクションまでワンカットで網羅できるようになっている模様。アニメずるい。





素敵な夜に:よく見ると可愛い構図ですね。あと、こういう手の動きって3枚は普通なのかしらと素人目線で考えた。





あご乗せゆずこ:PVだとそうは見えないけど、原作だと縁さんがいなくて、ゆずこと唯ちゃんで話している場面(このシーンを見つけにくかった言い訳)





夏休みジャイ:ぬるっと動いてる気がするのと、やっぱり構図に余裕があるなーと。






プールジャイ:プール回はよ





ね、こ:ゆずこのキラキラ目シリーズは色んなパターンがあるらしいので要注目





あたー:逆構図





よぉーし:唯ちゃんとゆずちゃんに、会いに行こーーっと♪


というところで『ゆゆ式』始まりますよ―と。
実にワクワクさせてくれるPVでした。


放送時間はこちらからチェック!

アニメ『ゆゆ式』公式サイト オンエア情報
http://www.yuyushiki.net/contents/hp0002/index00020000.html

ネタバレを含むおまけ

ちょっとしたネタバレがありますので気になる方はお気をつけて。
アニメオリジナルの場面として僕の中で話題になった自販機前のシーン。






おそらく唯ちゃんから電話が来て、「はーい」とゆずこ&縁さんが返事をして
ジュースを放り投げて走り去っていくという、PV最大の見せ場。
これってきっと2人が帰るのを渋ってた回、

このコマから繋がってるんだろうなあという予言。


それと、物を投げるといえば下のシーン。

投げる方向が逆なのは、4コマ漫画とアニメの時間の流れの違いだとして、
投げる・受け取る人物が入れ替わっているのも何か意図があるのかしらんと妄想しています。


進行を考える

ゆゆ式1巻はP61から夏服になってますので、ここが作中の6月に当たるかと思われます。
PV中で既に夏服の時節のシーンが見られますので、出てきたのがアニメでの1〜3話あたりの話だとするとけっこう進行が早い気がします。とはいえ、3巻の半ばまで進まないと岡野と長谷川を絡ませられないので兼ね合いも難しい気がします。(3人とお母さん、あいちんがいれば十分回せるとか言わない!)

1クール12話やるとすると、2年生の1ループ目が終わるあたりまでいくんでしょうか。それだと4巻の1/4くらいまで使っちゃうけど大丈夫かいねとかいう余計な心配でした。

アニメ『ゆゆ式』PVの歩き方をコマ送りしてみた

春うららかにアニメ『ゆゆ式』のことで頭がいっぱいな私です。ごきげんよう

ACE2013にて公開されたPVがあまりにも素晴らしかったので、
原作場面と比較してやるぜと意気込んでます。

その途中で、PVをコマ送りにして見ていたら最初の歩くカットが凄かったのですよ。
具体的には動きが多くて、3人それぞれの歩き方がバラバラだっていうことなんですが
PVで見ると高速コマ送りのようになってしまっていてもったいないと感じたので、ここで紹介します。

唯ちゃんの歩き方







普通の歩き方のような気がします。
足を上げる高さってこんなものだっけというレベルの感想しか出てこないので
詳細は詳しい人に任せましょう。

ゆずこの歩き方







一気に足を高く振り上げてから下ろしていくを繰り返すような歩き方ですね。
ゆずこらしさが滲みでている動きでたまらんです。

縁さんの歩き方








唯ちゃんよりも足を上げずに気怠く歩く感じの縁さん。
これもらしさが出てる動きで素晴らしいですね。




以上、簡単にPV冒頭の歩き方をまとめてみました。
3人はいつも一緒に歩いているはずなので、歩幅は揃ってると思うのですが、
歩き方にそれぞれの癖が出ているというのは面白いですね。
作品への愛を感じます。
まあ、PVそのもので見るとよく分からないんだけどな!


次回はPVで出てきたカットと原作の場面とを比べるエントリでも書こうかと。


4/6の22時くらいからid:karimikarimiさんと
4コマ漫画について話すラジオをやった後、
ゆゆ式について僕がひたすら話す何か禍々しいものをやる予定なので
それまでには仕上げたいところです。はい。

これからのポストモダンのポリアネス(夏コミまでの予定)

参加予定のイベント

  1. 4/28 超文学フリーマーケット出店:新刊「ポストモダンの祝祭(仮)」、ZYH(雑多なゆゆ式の話)2枚目他、既刊、ZYH1枚目を頒布予定
  2. 5/5 コミティア104出店: 頒布物は同上。ただし、「祝祭」に関しては売り切れたら頒布無しの予定。
  3. 8/10 夏コミ C84 出店予定(日付は変更の可能性あり):ポストモダンのポリアネス vol.3 「続・ゆゆ式MANIAC(仮)」を頒布予定

寄稿文募集のお知らせ

上記イベント参加及び新刊発行に当たりまして、寄稿文を募集いたします。

  1. ポストモダンの祝祭(仮)」向け:4コマに関することなら文章でもイラストでも漫画でも可。だけど、本は横書き左開きの予定。文章は2千〜2万字程度、他は応相談。締め切り4/7。オンデマンドで50部のみ刷る予定。謝礼は実本+何かちょっとしたことレベル。
  2. ZYH(雑多なゆゆ式の話)2枚目向け:文章はゆゆ式に関すること何でも400〜1000字程度、他は応相談。締め切りはアニメの状況を見て4/21を仮置き。謝礼は、イベント限定ですまぬですが、当サークルの本が安く買える券。
  3. ポストモダンのポリアネス vol.3 「続・ゆゆ式MANIAC(仮)」向け(当選すればですが):ゆゆ式に関する文章及びイラスト。文章は2千〜2万字程度、他は応相談。


夏コミ分以外は、お早めに申告して頂けると助かります。


S治の寄稿予定

たつざわさんの本に寄稿予定です。
大阪文フリ(4/14)と超文フリ(4/28)にて頒布予定。
http://www.hyoron.org/

コミティア104(5/5)予定

今までのポストモダンのポリアネス

アリスブックス様にてvol.1,2の通販を行なっています。
vol.1
http://alice-books.com/item/show/1677-1
vol.2+ZYH1枚目
http://alice-books.com/item/show/1677-2

ZYH1枚目のネットプリント配布再開(3/9まで)

コミティア103で無料頒布したZYH(雑多なゆゆ式の話)のネットプリント配布を再開します。

  1. 1枚目のカラー:60516773
  2. 2枚目:58975473
  3. 1枚目モノクロ:21087912

(1と3の違いは、タツノコッソさんのイラストがカラーになってるか否かのみです)

期間:3/9まで(システムの都合上、1週間で削除されてしまうため)
入手方法:セブンイレブンのマルチコピー機にてネットプリントを選択し、番号を入力
料金:モノクロ1枚20円、カラー1枚100円がコピー機利用料としてかかります
それぞれA3サイズでプリントされます。

無料ペーパー参加者

@tatunokosso:タイトルイラスト+ちょっとしたネタ絵
@twinkle_SA:初めての『きらら』読者のためのゆゆ式論第一
@tatsuzawa:『ゆゆ式』論と称する事実上の『けいおん!』『たまこまーけっと』論
@technomover:私は情報処理部
@hachinohe:“ゆゆ式エロい学会”初級編
@toragiko:ゆゆ式いず文学
@ya53:「まなざしをさえぎるフキダシ ゆゆ式教室空間設計概要〜4巻62-63pから〜」
@esuji:ご挨拶とタツノコッソさんのゆゆ式同人誌が良かったという話

続・ゆゆ式MANIAC 4P25 最終日 「one sunny day」

1日目 「4コマ漫画のカメラワーク」
2日目 「0コマ目の想像力」
3日目 「4コマ漫画に色彩が生まれる瞬間、そしてそのフィードバック」
4日目 「カバンは扇子」



・・・・・・!


最終日を迎えた。
前後不覚の状態だが、文章は書かれなければならない。

某t氏とは、やはり連絡が取れない。電話もメールもSkypeTwitterも何も返ってこない。この世界からいなくなってしまったかのように思える。
あるいは私の方が消えてしまったか。

t氏とは何度か会ったこともあるが、その実存性は今は薄っぺらなものとなっている。



ふと、こんなことを思い出す。


ブギーポップの噂が女の子の間でだけ広まっていたように、Twitter全盛の現代においてブロガーの間でのみ広がる噂がある。

突然、現れてブログのネタに助言をくれる、詰まっていた案件へのアイデアをくれる。それを元に文章を書いていくと幸せが訪れるというものだ。

「幸せってなんだろう。アフィリエイトの収入が増えるとか?」

「それは十分に幸せなことじゃないか」

教えてくれた友人とそんな話をしたことを思い出す。
今はその記憶の確かさもよく分からない。

pursing my world

Show must go on,
文章は書き続けられなくてはならない。

でももう、言うべきことはない。
薄っぺらで嘘っぱちな世界で言いたいことなんてない。
そんな時にまたあの声が聞こえてきた。



「3コマ目でパースが曲がってるのは、上手くウソをついてハッタリ効かせてますね」

4P25

(右上が1コマ目、以下、右下、左上、左下と続く)


「本当はこの世界観がウソなんだって、背景だけが気付いてる」


「気付いてるから、自分が曲がってみせることで読者にも気付かせようとしている」


「フリーハンドの背景を作者がカッコイイと思ってる?*1
 そんな口先の言葉よりも本当の意図に注目するべきでは?」


「本当の狙いは、3コマ目までに繋がる目線をウソでリセットして、
 4コマ目の平坦なオチに着地させるものですよ」





t氏の言う内容は、よく分からないがすごい自信だ。
その言葉が呼び水になる。
私の中にも言うべきことが生まれてくる。



「『ポストモダンのポリアネス vol.2』にも書いたが、3巻P32での曲げパースの使い方は、夢から覚めた直後の現実感のなさを魚眼レンズ的に映し出している。t氏の言うように目線誘導も含めて、曲パースの使い方と効果には注目していくべきであろう」


残酷なウソが、ウソで、ウソになる。
これで本当に終わり。
長かった”4P25”とt氏を巡る旅の終わり。



one sunny day

ゆゆ式』への情熱を燃やし切って、
そして後には文章だけが残った。


t氏との会話が夢まぼろしであったとしても、
これさえ残っていればいい。


そしてまた私は思いを語るだろう。
或る、晴れた暖かい日に。





EDテーマ


Walking with the wind blowing on your face.
Walking towards the future.
Busy days with no compass to guide you.


After traveling to distant exotie countries...
You will return to where you belong, one sunny day.

                              (c) TYPE-MOON











夢だけど、夢じゃなかった。









*1:『マンガルカ vol.1』作者インタビューより。鈴木央ライジングインパクト』のような背景に憧れていたとのこと。

続・ゆゆ式MANIAC 4P25 4日目 「カバンは扇子」

1日目 「4コマ漫画のカメラワーク」

2日目 「0コマ目の想像力」

3日目 「4コマ漫画に色彩が生まれる瞬間、そしてそのフィードバック」


結局、某t氏に連絡は付かなかったので思い出しながら書いていく。

4P25 4日目 「カバンは扇子」

「俺が思いつくくらいだから既に30人は言ってると思うけど、」


また変な前置きをしてt氏が話し始めた。


「フィクションにおける女子学生のカバンは、落語の扇子と同じだって理論はそろそろ世間に認知されてもいいと思う」


少なくとも私は、その30人の言説には出会っていないようだ。
今回はすぐに理解できるものだが、新規性はそれなりにあるように思える。


t氏曰く、

  • 彼女たちが自然に持ち歩いているもの、それがカバン
  • そのため、キャラ付けの小道具として有効活用できる
  • むしろ登校・帰宅シーンでは持っていないほうが不自然なので画面内に描かざるを得ない。であれば、そこに工夫を入れ込むのは理に適うものだ

とのことである。

確かに、高遠るい著『シンシア・ザ・ミッション』でも鉄板を仕込んだ通学用カバンは、女子高生で不意の戦闘が予想されるシンシアが自然と持ち歩けるアイテムとして何度か活躍している。

また、カバンと言えば『けいおん!』シリーズでの演出は印象に残っている人が多いのではないだろうか。
律の通学カバンを背負うキャラ付けを始め、卒業組と梓との断絶の演出にも使われている。

けいおん!! 第24話の演出の解説 断絶の表現について - karimikarimi
http://d.hatena.ne.jp/karimikarimi/20100918/1284789298

下は劇場版での図。



上:劇場版の冒頭
下:「天使にふれたよ!」演奏会直前


話を4P25に戻そう。
この論自体は前々から考えていたものの、コマのショットがゆずこ達の持つカバンを基準に決められていたため、ちょうど関連性がありそうだから出てきたものらしい。2〜4コマ目は縁が両手で下に持つカバンを基準にしたらまた違うショットになっていただろうと指摘する。
ところで、私は今まで気にしたことがなかったが、縁がカバンを持つシーンを見てみると、3巻での2年生進級後は常に両手で下に持つ格好になっている。

4P25

(右上が1コマ目、以下、右下、左上、左下と続く)

1,2巻では下に持ったり右肩に下げたりと安定しないが、何か肩を大事にするように唯から言われたのかもしれない。

参考:http://blog.livedoor.jp/maizuru_baseball/archives/3720671.html

ゆゆ式』はあまり各個人の持つ道具ではキャラクターを主張しない作風*1だと思っていたが、カバンの持ち方に現れている部分があったと知って、自分の読み込みの浅さにため息が零れた。

余談

今日の記事のために劇場版けいおん!を見ていたら珍しいアイテムを見つけたので紹介しておく。
Rader SEED消しゴム

ケースの角が丸く切り取られていないが、配色を見れば間違いないだろう。
MONOでないところに渋さを感じた。
けいおん!と出てくる道具の関係性については、そもそも唯がギターにレスポールを選択するところからも色々と述べるものがあるが、それは音楽モノの宿命だとしても、澪のヘッドホン(AKG-701)や律のシャープペンシル(LAMY)を始めとして道具に拘っている作品であることが窺い知れる。
氷菓』にはRollbahnが出てきたので、京都アニメーションがそういう会社であるだけとも言えなくはないが。
(参考:http://ameblo.jp/mint-gre-en/day-20121002.html

けいおん!wiki 作中登場の小物他
http://www42.atwiki.jp/keionbu/pages/19.html

古典部シリーズ 氷菓 wiki 作中登場の小物他
http://www34.atwiki.jp/kotenbu/pages/16.html

ちなみに私は、消しゴムはフォームイレイサーかAir-IN派である。



宣伝

4P25の効果なのか、微妙に売れてます。ありがとうございます。
ポモアネスの通販は以下のリンクからどうぞ。

vol.2
http://alice-books.com/item/show/1677-2


vol.1
http://alice-books.com/item/show/1677-1






・・・・・・

明日が最終日。

でもt氏と話したことは今日の分で終わりじゃなかっただろうか。
自分が語りたいこと、語るべきことを何か忘れてしまっているような気がする。

なぜ私は明日まで4P25が続くと考えていたのだ。


思い出せない。思い出せない。







次回、テーマは「」






1日目 「4コマ漫画のカメラワーク」
2日目 「0コマ目の想像力」
3日目 「4コマ漫画に色彩が生まれる瞬間、そしてそのフィードバック」


最終日 http://d.hatena.ne.jp/esuji5/20130222/1361537609

*1:おそらく唯一の例外としては、まんがタイムきらら2012年9月号掲載分に出てきた縁の犬の足あと柄のスマホケースが挙げられるのではないだろうか。

続・ゆゆ式MANIAC 4P25 3日目 「4コマ漫画に色彩が生まれる瞬間、そしてそのフィードバック」

1日目 「4コマ漫画のカメラワーク」 :http://d.hatena.ne.jp/esuji5/20130218/1361197953
2日目 「0コマ目の想像力」:http://d.hatena.ne.jp/esuji5/20130219/1361284397

3日目です。前の2日で力を使いすぎたために今日は縮小更新で行きたいと思います。

4P25 3日目「4コマ漫画に色彩が生まれる瞬間、そしてそのフィードバック」

「この場面って夕方だと思いますけど合ってますか?」

もちろん某t氏の発言である。
そうだと思います、と前置きしてパラパラとページをめくる私。

「そうですね、この後3人で買い物に行ってるので夕方でしょう」

もちろん、この会話をするまでもなく、4コマ目のゆずこのセリフは
「(夕日を浴びて振り返っている私は)いい感じじゃなかった?」」
と読み解くのが自然だと思われるので、時間が夕方だとはなんとなく分かることである。

4P25

(右上が1コマ目、以下、右下、左上、左下と続く)

そういえば、この3人は家が高校から同じ方向かつ電車や自転車によらない登下校であるにも関わらず、朝に一緒に投稿してくる場面はあまりないなあと1秒ほど考えていると、t氏が口を開いた。


「じゃあ、これ、2コマ目で漫画に色が着いたんですね」



え、あ、はい。

t氏の言葉に頭の処理能力が追いつかない。
しかし、改めて夕方の情景を思い浮かべながら4P25を見ると、不思議なことにゆずこの周りの白地部分が、夕焼けで雲が赤く染められており、トーン部はまだ青空の残っている部分のように見えてくるではないか。
なるほど、これが「色が着いた」ということか。

さらにそこから「4コマ目のキラキラ演出でそれもリセットしてオチに繋げてるんだ」という発言も飛び出したが、どうやら彼の頭の中では、2コマ目に色彩が生まれ、3コマ目に引き継がれ、4コマ目でゆずこが再度振り向くまでのアニメーションを処理し、最後にアニメの『Aチャンネル』のような色と模様でのオチ演出が付いたという流れが一瞬で組み上がったようだ。

(参考画像:アニメ『Aチャンネル』より)

つまりは、4つのコマから、音声と動きだけでなく、色彩とカメラワークまでも補完したということだ。アニメーションとはなんたるかを理解し、そのすべてをきちんと把握しようとする姿勢にただ脱帽した。
もちろん、それを想起させるに足る描写をした4P25もまた大変に優れた一本であることが逆説的に言えるだろう。

・・・4月からのアニメが非常に楽しみになってくるではないか(ハードルを上げる奴)。


ちなみに、t氏の発言は以下の様に止めどなく続いていたことをここに記しておく。
「そうなると、また1コマ目を見た時にも色が着いて見えますよね。読み返すとフィードバックするものですね。ここは色というより入光の演出の方が合うから・・・・・・そして0コマ目が・・・・・・」



また、本作での色彩と言えば、ゆずこ達3人はそれぞれピンク、青紫、緑寄りの黄色っぽいやつ(萌黄色?)が目と髪に鮮やかな色が設定されている。そしてこれは作中でもそのままの色で認識されていることが3巻P23のゆずこの赤い目のネタ、4巻P57の縁=青紫のネタから分かる。『マンガルカ vol.1』の作者インタビューから3人の髪の色についてはインスピレーションそのままに設定した結果、特別感が出たものだという。これだけだと、だからどうしたという話なのでポモアネスvol.2には収録されなかったが、せっかくなので書き留めておく。
私はゆずこ達3人のリアリティ(実存感)について「Twitterでいつもつぶやきを読んでるけどフォローされてないしReplyも送ったことがない人」レベルのものを感じている。「初音ミク並みのリアリティ(実存感)」と言ってもよいかもしれない。どっちもどっちだろ、という意見はさておいて、髪の色の鮮やかさに実際に存在していそうな感覚はあまり関係してこないのかもしれないと疲れた頭でなんとなく思った。もしくは鮮やかだからこそ実存感を高めるのか。答えを出すための元気は今はない。


あまり縮小した気がしないけど今日はここまで。
次回は「カバンは扇子」を予定。


宣伝

説明略


http://alice-books.com/item/show/1677-2

vol.1
http://alice-books.com/item/show/1677-1



そういえば、WEBスナイパーさんの
コミティア103で買った本を紹介する企画でポモアネスvol.2を取り上げて頂きました。
http://sniper.jp/011review/0119others/201323comitia103.html

[作者は物狂いシリーズ][熱狂的なファン]というタグ付けと

謎のデータから、物語要素、演出論、寄稿文に至るまでどれも無駄に凝っている。アニメが開始されると、原作知名度が飛躍的に高まるとは、筆者も確信しているが、その時にこうした熱狂的ファンブックの存在が察知されるのかどうか。興味深く見守りたい。

という紹介文を頂きました。ありがとうございます。



・・・・・

t氏に確認したいことがあったが連絡が付かなかった。
世界線が変わるわけでもなし、明日にしよう。





1日目 「4コマ漫画のカメラワーク」
2日目 「0コマ目の想像力」
4日目 「カバンは扇子」

続・ゆゆ式MANIAC 4P25 2日目 「0コマ目の想像力」

 本エントリについての概要はhttp://d.hatena.ne.jp/esuji5/20130218/1361197953を参照されたし。
 また、私には当たり前のこと過ぎて昨日のエントリには書かなかったが、萌え4コマの最先端たる『ゆゆ式』について語ることは、すなわち、萌え4コマ全体について言及も同然である。


(・・・ちょっと主語を大きくしすぎたかもしれない。)

4P25 2日目 「0コマ目の想像力」

 昨日のカメラワークへの言及に続いて、t氏から出てきた言葉は

「S治さん、0コマ目の想像ってしたことありますか?」

であった。私は率直に

「ありません」と答えた。
 正直に言えば、”0コマ目の想像”が指す意味は分かるが、その意義がいまいちピンとこなかった。2回程、4コマをよく読む人が多い私のTwitter TLに問うてみたが、特に4コマ書き手でない方からは同じような回答を得たのみであった。
 t氏の言葉を私なりにまとめると以下の様なものである。

  • 0コマ目は1コマ目の前に在りて、その状況の起因である
  • 雑誌掲載分の1本目の0コマ目は掲載話全体の起因であり、
  • 各ネタの0コマ目はネタとネタの間を補完する因子である

 これを聞いて私は、1日目にも書いた4コマ漫画とアニメーションの話かと考えた。例えば、教室でゆずこ達3人が話をしている状況のネタが何本か続くとする。その1本目の起因及びネタとネタの間の空気感を考えることが、コマとコマの間をどうアニメーションさせるかを考察する話と同様に重要であるという指摘ではないかと思ったのだ。実際、昨日までの気付きを元にすれば、ネタ間≒0コマ目は、例を挙げれば俯瞰(カメラは上から)や煽り(カメラは下から)のカメラワークで終わったネタの状態をニュートラルに戻し、次の一本は目高(カメラは水平)でスタートさせる効力を持つと言える、というようなことではないかと。
 果たして、「それもある」ぐらいにはt氏の同意を得た覚えはある。しかし、とt氏は続ける。


「この一本は振り向きの動作から始まってるじゃないですか」と。

振り向きとシャフ度

4P25

(右上が1コマ目、以下、右下、左上、左下と続く)

さて、改めて4P25を見てみよう。
確かに1コマ目はゆずこが振り向いている場面である。
それの何が問題なのだろう、t氏は続ける。


「振り向きの動作には必ず事前の文脈があるんです」


「”0コマ目の想像”は私が前から考えていたことですが、とりわけこの一本は振り向くことから始まっているので、その直前を想像することが重要な意味を持つのではないでしょうか」


そこで分かりやすい例として「シャフ度」を挙げてもらった。
手っ取り早くどんなものかを以下に示す。

シャフ度 - Google 検索

(画像は検索結果からこれを使用させていただいた)
https://www.google.co.jp/search?q=%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%95%E5%BA%A6&hl=ja&tbo=u&tbm=isch&source=univ&sa=X&ei=fKUTUcmgBaGhmQWfuICoAg&ved=0CE4QsAQ&biw=920&bih=915

 そもそもの発生についての考察等のきちんとした話はこちらにお任せするとして、現行の使われ方としては、作中での画面構成にアクセントを付ける意味合いが強いと思われる。個人的には、『化物語』シリーズや『ささみさん@がんばらない』での会話中心に進む場面を上手く保たせる印象が強い。
 何はともあれ、それまでの流れを受けてのキメ顔であるので、事前の文脈が存在しているのは疑いようもない。

 話を4P25に戻そう。
 シャフ度はキメ顔であることが多いので、ある程度極端な例であるとしても、確かに日常生活でふと振り返るには何かきっかけが必要だろう。折しもゆずこ達3人で歩いている特別で当たり前な時間、ゆずこは何に引き止められたのか、はたまた何かに気付いて振り返ったのか。
 答えは分かる気もするし分かり得ない気もする。少なくともここに書いてしまうのは少々野暮ったいことだ。

 想像の余地を残して、今日はここまでにしよう。
 次回は「4コマ漫画に色彩が生まれる瞬間、そしてそのフィードバック」を予定。

・・・・

某t氏とは多分おそらくきっとmaybe関係ないと思いますが、こちらのシャフ度記事も大変参考になりました。

魔法少女まどか☆マギカ」の演出ガイド〜新房昭之の語った「シャフ度」http://d.hatena.ne.jp/tatsu2/20120401/p1




1日目 「4コマ漫画のカメラワーク」
3日目 「4コマ漫画に色彩が生まれる瞬間、そしてそのフィードバック」
4日目 「カバンは扇子」