前回からの続き「ノノノノ」2巻レビュー(?)

一回書いたのが消えてしまったので荒れながら簡潔に書き直します。

3人の関係に帰着する物語の軸

2巻の表紙を飾るのは興梠(こうろぎ)みかげ(以下、コウロギ。悠太がそう呼んでいるので)です。フィギュアスケート世界選手権で金メダルをとった実力者で、自分にふさわしい能力をもった悠太に惹かれ、告白しますが、女同士だし･･･ということで当然のことながら断られます。

その後、男子の前だと体育着に着替えられないということで理科準備室で着替えていた悠太を目撃してしまいます。悠太が女だとバレそうになりますが、女物の下着を着けている悠太を見た彼女は「女装癖のある変態である」とし、奴隷として扱われることになります。しかし、これは好きな人の弱みを握ったから利用してやろうというツンデレーションであり、その後も、この関係をいかした様々なツンデレっぷりを見せ付けてくれるという素晴らしいヒロインです。

また、1巻で対立していた興津と悠太も誤解が解けて仲直りします。さらに部活中に興津に優しくされた悠太は、興津のことが気になってしょうがないようになってしまいます。ここで「興津は好きな女の子にはジンマシンが出ない」という設定がいきなり明かされます。すると、あれ？悠太が近づいても興津にジンマシンが出てない！という無理やりな流れに。

興津は私のことが好きになった？とはいっても友達としてだろうなあ、そもそも男として生きていくなら恋愛のことは諦めなくちゃいけないし･･････と悩む悠太は恋する乙女そのものでした。それを見たコウロギは、恋のライバルは興津だわと打倒興津を心に掲げます。

ある日、スキージャンプ部のジョギングに出くわしたコウロギは、ここが興津を叩くチャンスと、一緒に付いていくことにしました。ジャンプよりは持久力が必要なフィギュア選手なだけに女とはいえ、興津に圧倒的な差をつけてジョギング勝負をものにしたコウロギ。これで悠太は私のもの･･････ってあれ？とここで自分で勝手に意味付けをした勝負の無意味さに気づきます。

一方の興津は、近くにあんなすごい女がいるなんて･･････と世界の狭さを実感し、コウロギに感心していました。それを見てジェラシーな悠太。ムキになって悪かったと戻ってきたコウロギに興津が近づいてもジンマシンが出ていないのを見てさらに唖然となります。興津は好きな女の子にはジンマシンが出ない･･････。

ということで、
悠太にもコウロギにもジンマシンが出なくなった興津。
男として生きていくために恋愛は諦めざるをえないが、コウロギと付き合うのも彼女を騙すことになっている悠太。
大好きな悠太を奴隷として同棲させることに成功したが、結局は同性ですよなコウロギ。
女アレルギーと男装少女とツンデレが織り成す関係は、気がつけば見事な三角関係を描いておりましたとさ。このラブコメの基本がこれからも話の軸になっていくのはまちがいありません。「エルフェンリート」ではたくさんのキャラが出てきては死んでいったので、とんでもない関係なのに3人までに集約させたのはすごいなあと素直に思いました。

他の見所、もけっこうあるでよ

悠太がなかなか痛い子であるという描写がいくつかあったので紹介します。

1. 寮に入るために可愛い服は持っていけない。だから、処分する前に独りで記念撮影を行おうという悠太。タイマー使ってポーズを決めて、でてきたセリフが「んー･･･私のかわいさをちゃんとあますとこなく撮れてるかしら？」。こんなに女の子モード全開でオリンピックまでに男を通せるのか不安です。ここをばっちりコウロギに見られていて、さらに変態としての地位を高めます。
2. コウロギの家に奴隷としてご奉仕するためにメイド服を着せられる悠太。さすが女装癖があるだけに似合うわねｗｗｗと馬鹿にされますが、本人は「あらあらイヤだわ？そんなに似合っちゃうのかしら」と満足げな様子。カメラにこの姿を納めなきゃ！というところをやっぱりコウロギに見られてオチがつきます。
3. 以下、抜粋。「女の子はスキージャンプでオリンピックに出られない。今まで私はお父さんのために何もしてあげられなかった。でも今の私は――戸籍的には男だ。素敵･･･私の夢はオリンピックで金メダルを獲ることなんだ。私･･･超かっこいい!!」

よくよく考えると、性別を偽ったままオリンピックなんぞに出場できるのか？という疑問もありますが話がぶち壊しになってしまうので触れないことにします。

また悠太の本当の名前が「野々宮ノノ」であることが15話にして判明します。･･････あれ？タイトルってここからなんですかねえ!? 悠太とノノは双子の兄妹らしいですが、どうして漢字と片仮名なんてかけ離れた名前をつけようと思ったのかも気になるところです。

2巻では個性的なキャラも増えたので2人ほど紹介します。
1人目は寮で悠太と同じ部屋になった尾形先輩。柔道で全国ベスト8の実力者ですが、超強烈なゲイで、好みは可愛い男の子だそうです。同じ部屋で寝るということで、さっそく襲われてしまいます。

安心したまえ。今日はお前を気持ちよくするだけだ。

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この後、地獄の上四方固めが襲い掛かります。

もう一人は3年の尻屋先輩。自分の名前にコンプレックスを持っているようで、自分のことを影で「アナルショップ」と呼んだ後輩を大変なことにしたそうです。というかそんなこと言われたら怒って当然だとも思いますが。

そんなわけでこんな個性的な仲間たちと一部の普通な人たちとで紡がれてゆくスキージャンプ物語。人が死なないとか普通のスポーツものじゃんといって敬遠するにはもったいなさすぎますよ。

ノノノノに関してはもう少し書きたいことがあるので、他のブログでの取り上げられ方なんかも見ながらそのうちやりたいと思います。

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